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本を読まざるをえない

やる気のないOLです。通勤中は本を読みます。

炎路を行く者ー守り人作品集ー/上橋菜穂子

守り人シリーズは私が小学四年生の時にはじめて読んだ。

なんと13年も前である。が、「精霊の守り人」を読んだときの心の高鳴りと、上橋さんへの敬愛の気持ちが沸き起こったのは、ついこの前のことのようだ。

 

上橋さんの書く世界はほんとにすばらしい。これぞハイファンタジー。バルサが蓄えている保存食や森の歩き方にわくわくし、異世界におののく。

語感も上橋菜穂子の世界を作り上げていく。ヨゴ、チャグム、ユナグ。一体どこの国なんだろうか。わかるのは、この世界とは全然違うということだ。ここまで作り上げているのがすごい。もう小学生の私は絶賛した。

児童書に分類されるはずだが、こどもをなめていない、魂のこもった一作である。

 

上橋さんの名前はどんどん有名になり、獣の奏者や鹿の王など、本当にポピュラーになった。

しかしどうしても精霊の守り人とそれに連なるシリーズは読んでほしい。はずせない。

 

しかし、炎路を行く者が出ていることに気づいていなかった。そんなバカなことある??

でもやっぱり読んでいなかったみたいでなかなかショックを受けつつ読んだ。

なんせ本シリーズをちゃんと読んだのは10年以上も前なので、あまりシリーズ本筋に触れないでいきます…。

 

炎路を行く者は守り人シリーズの外伝的な一冊。

今回の主人公は、少年時代のアラユタン・ヒュウゴ、そしてちょこっとバルサの若い頃の話もある。

 

ヒュウゴはヨゴ皇国(新ヨゴ皇国ではなく、昔滅ぼされた国)の出身である。こどもと言える年齢の頃に彼の国が滅ぼされ、そしてタルシュ軍に入るところまでを描いた話が「炎路の旅人」であり、本作に収録されている。

高位の武人である父に、国皇のためにあれと日々教えられて来たヒュウゴ。しかし徐々に他国を攻めていたタルシュ帝国により、ヨゴも落とされ枝国となってしまう。武人であるがためにタルシュに家族は惨殺されたが、ヒュウゴだけは命からがらタルシュ軍の襲来から逃げ出す。そんな時に助けてくれた父娘がいた。

絶望、葛藤、一体自分は何をして生きていきたいのか、といった心の機微を、細かに綴っている。ファンタジーというと派手なところに目が向きがちだが、市井の人をリアルに書き出すのが上橋さんである。

 

ヒュウゴの話が半分以上だが、そのあとバルサが若い頃の話が出てくる。

実はこっちはまだ読んでいない。久々にバルサに会うからどきどきしている。近いうちに読もうと思う。