まるまるの毬/西條奈加
西加奈子と西條奈加って字面が似てる。
私は西條奈加を推します。
最初に西條奈加を読んだのは10年以上前、ぎりぎり小学生?くらいの時である。デビュー作はその名も金春屋ゴメス
- 作者: 西條奈加
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09/30
- メディア: 文庫
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↑単行本の表紙の方が好きだな。
ファンタジーノベル大賞を受賞したこの作品は、現代の日本にある江戸国の話。人気が高く入国、在住は規制されているか、主人公はそこに幸運にも入れ、そこで事件が起こり…という話。
金春屋ゴメス以来のファンである。
さて、今回読んだのは「まるまるの毬」。
- 作者: 西條奈加
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: 文庫
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これはファンタジーではなく、ほんとの時代小説。
江戸の街に小さな菓子屋を構える治兵衛と、その娘、孫娘や彼らを取り巻く人々の話である。人情物と言ってもいい。
治兵衛の菓子は人々に愛され、娘たちとも幸せな生活を送っているが、治兵衛には出生の秘密があり…。毎度何かごたごたが起きるが、それでも強く生きていく人々。短編連作集という感じである。
時代小説はけっこう好き。人々の考え方はかなり現代に近いけれど、生活はやはり違う、という江戸の営みが、絶妙にファンタジーとリアルの間をつく。しかも本作はごりごりの(おじいちゃんが読んでいそうな??)時代小説でもなく、若者でもすっと入り込める。
さらに、お菓子の描写がなんとも魅力的である。表題になった「まるまるの毬」のまるまるとは、女房言葉で餅をさす。餅に、毬に見立てた米などをくっつけたお菓子がまるまるの毬。
その他にも美味しそうなお菓子がたくさん登場し、楽しい楽しい。
さて、これはファンタジーではない。ファンタジーといえば今春屋ゴメスとその続編くらいだろうか?
あとは、時代小説が何冊かと、歴史小説、現代が舞台のものも書いており、守備範囲が広い。現代物は読んでいないので、そろそろいってみたい。